カトリックとプロテスタントのちがい

同じキリスト教なのに何が違う? カトリック・プロテスタント・聖公会・正教会のちがいを、建物・礼拝・雰囲気という「行ったときに分かる差」から説明します。

「教会」と聞いて思い浮かべるものは、人によってけっこう違います。ステンドグラスの大聖堂を思い浮かべる人もいれば、映画で見たゴスペルの熱気を思い浮かべる人もいる。

実は、どちらも正解です。同じキリスト教でも、流れ(教派)によって空気がまったく違います。難しい教理の話は抜きにして、「行ったら何が違うのか」だけ見ていきましょう。

まずはこれだけ

  • 大きく分けるとカトリック・プロテスタント・聖公会・正教会の4つ
  • ちがいを一番感じるのは雰囲気。美術館のように荘厳な教会も、ライブハウスのような教会もある
  • どれが正しいという話ではないので、好みで選んで大丈夫です

もし1日で4つの教会を回ったら

違いをいちばん早くつかむ方法は、まわった気になってみることです。

朝、カトリック教会。 扉を開けると、ステンドグラスの光と高い天井。静かです。「ミサ」と呼ばれる礼拝は、決まった型に沿って進みます。まわりの人が立ったら立ち、座ったら座ればOK。この型は世界共通なので、東京で一度流れを覚えると、パリでもローマでもソウルでも「いまどのあたりか」が分かります。海外旅行が少し楽しくなる知識です。

10時半、プロテスタントの伝統的な教会。 パイプオルガンと賛美歌。中心は牧師の説教——聖書をもとにした20〜40分の「話」です。学校の講堂のような、落ち着いた空気。

昼すぎ、プロテスタントの現代的な教会。 同じプロテスタントなのに、こちらはバンド演奏にスクリーン、カフェのような内装。Tシャツの人もいます。伝統的な教会とは、コンサートホールとライブハウスくらい空気が違います。最初の1軒が合わなくても、それは「その空気」が合わなかっただけかもしれません。

夕方、お茶の水のニコライ堂(正教会)。 椅子がほとんどなく、立って参加するのが基本。楽器はいっさい使わず、人の声だけの聖歌が堂内に響きます。イコン(聖画)とろうそくの光。ここだけ時間の流れが違うような、他のどの教会とも違う体験です。建物は国の重要文化財です。

表で整理すると

伝統礼拝の呼び方雰囲気をひとことで
カトリックミサ荘厳・静か・世界共通の型
プロテスタント礼拝説教が中心。教会ごとの幅が大きい
聖公会聖餐式カトリックとプロテスタントの中間
正教会聖体礼儀声だけの聖歌とイコン。東方の伝統

聖公会は英国国教会の流れをくむ伝統で、礼拝の形はカトリックに近く、組織のあり方はプロテスタントに近い、と説明されることが多いです。実は身近なところに多くて、立教大学や聖路加国際病院は聖公会の系譜です。

なぜ分かれているの?

ざっくり3行で。

  1. 最初はひとつの教会でした
  2. 1054年、東(正教会)と西(カトリック)に分かれました
  3. 16世紀、西側から宗教改革でプロテスタントが生まれ、同じころ英国で聖公会が独自の道を歩みはじめました

つまり4つの伝統は、2000年の歴史の中でできた枝分かれです。根っこは同じで、聖書とイエスを大事にしている点は変わりません。

で、どこに行けばいいの?

正解はありませんが、目安はこうです。

  • 建物や伝統の重みを感じたい → カトリック、聖公会
  • 話(説教)を聞きたい、生活に近い雰囲気がいい → プロテスタント
  • 音楽が好き・明るい雰囲気がいい → プロテスタントの現代的な教会
  • 他にはない体験をしてみたい → 正教会

ひとつだけ知っておきたいのは、ミサの中の「聖体拝領」(パンをいただく部分)はカトリックの信者が受けるものだということです。ほかの教派で洗礼を受けた人も、原則として対象になりません。はじめての人は席に座ったままで大丈夫ですし、教会によっては信者でない人にも祝福を授けています。

なお、ここで紹介したのはいずれも歴史ある主流のキリスト教の伝統です。キリスト教を名乗る団体の中には、これらとは別の教えを持つものもあります。見分け方は「自分に合う教会のえらび方」で説明しています。

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